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呉邦国委員長、扇千景参議院議長と会談 関係発展で5項目の提案
2006-10-17 00:00

 全国人民代表大会(全人代)常務委員会の呉邦国委員長は16日午後、日本の扇千景参議院議長と北京の人民大会堂で会談を行った。双方は中日関係、議会交流、共に関心を寄せる大きな問題について率直で突っ込んだ意見交換を行い、重要な共通認識に達した。

 呉委員長は冒頭、扇議長の訪問を歓迎し、次のように述べた。過去5年間は中日両国の国交正常化後最も困難な5年間だった。日本の前指導者が第二次大戦のA級戦犯を祀った靖国神社への参拝に固執したことから、中日両国の政治関係はこう着状態に陥った。先ごろ訪中した安倍首相と中国の指導者は中日関係を発展させることについて一連の重要な共通認識に達し、両国の政治関係のこう着状態を打破し、中日関係を正常な発展の道に戻した。中日関係が改善されたのは双方が努力したたまもので、双方の有識者の心血が凝集されている。これは苦労して手に入れたもので、特に大切にしなければならない。

 中日関係改善、発展のよい基調を保ち、両国関係の健全で安定した発展をはかるため、呉委員長は5点を強調した。第1に中日両国の指導者は戦略的視点と長期的見地から中日関係を認識、とらえ、「中日共同声明」など3つの政治文書を基礎に、「歴史を鑑とし、未来に目を向ける」精神にのっとって、「平和共存、代々の友好、互恵協力、共同の発展」のために力を尽くし、両国関係をより高い段階へ進める。第2に日本側が歴史問題と台湾問題を適切に処理し、両国関係の政治的基礎を守る。これは3つの政治文書の核心である。事実が証明しているように、3つの政治文書の原則に沿って問題を処理すれば、中日関係は順調に発展し、原則に背けば関係は停滞し、後退さえある。第3に各分野の交流と協力に力を入れ、貿易経済分野の協力を深め、民間往来を推進し、両国国民の友好的感情を深める。第4に国際問題と地域問題での協調と協力を強め、共通の戦略的利益を広げ、地域と世界の平和・安定・繁栄に共同で貢献する。第5に中国全人代と日本参議院の定期交流の仕組み確立を契機に、双方の実質的な交流と協力を深め、議会交流を新たな段階に進め、中日友好協力関係の健全な発展により大きく貢献する。

 これに対し扇議長は次のように述べた。日中両国は一衣帯水の隣国で、対中関係を積極的に発展させることは、日本の各政党と国民の共通認識である。日中友好関係の発展は両国民の利益にかなっており、北東アジアおよび世界の平和と安定にも大きな役割を果たすだろう。今後も両国の政治、経済、文化分野の交流と協力を積極的に促進し、21世紀の日中関係の新たな一章を開くため努力を重ねていく。

 会談終了後、呉委員長と扇議長は中国全人代と日本参議院が定期交流の仕組みを確立することに関する了解覚書に調印した。

 会談と調印式には路甬祥全人代常務委副委員長が同席した。

 (北京10月16日発新華社)

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